スマホアプリの開発を行っている企業で、画像加工アプリの開発・運営をしているのですが、約半年ほど前からサブスク会員の退会率が増えてきました。
新たに入会する会員よりも退会者の方が多くなってしまうと、利益が目減りします。
これは何とかしなければと思い、すがったAI予測で本当に何とかできた話です。
なぜ退会率が高くなったのか。
この分析をしないことには始まりません。
理由は簡単。
競合アプリに強力なものが現れたためです。
我々もすぐに対策を行い、使い勝手や機能面で競合アプリに負けないよう、アップグレードを行ってきました。
アップグレードの過程で一応競合アプリとの差別化が明確になり、真っ向勝負するような形ではなくなったため、競合アプリの方へお客さんが流れていってしまうみたいなことは止まったと思われるのですが、それでも退会率が思ったように下がらない状態。
分析しても何が原因か分かりませんでした。
そこで、ダメ元でAIによる会員の退会確率予測というのを試してみたのです。
約2年分の顧客データをAIに読み込ませました。
顧客属性と入会、退会日、アプリの利用率、最終利用日、他のどのアプリに連携しているか等のデータをAIに読み込ませると、現会員で退会率の高い人が割り出せたのです。
そして、面白いことがわかってきました。
SNSでの活動が一定期間経過した人の退会率が高くなる傾向にあったのです。
ひところSNS疲れという言葉が流行りましたが、実はあれ、皆が同時にSNSに疲れるわけではなく、SNSの利用期間に関わるものであるようです。
画像加工アプリという性質上、tiktokやインスタなどのSNSと密接に関わっている我々のアプリもその周期に合わせて退会が増えていました。
私も経験があるのですが、飽きが来ますよね。
投稿する内容がマンネリ化してきて、ネタ切れ状態。見るものも似たようなものばかりで、次第に使わなくなる…そういうことなんでしょうね。
そこで、何をしたかというと、アプリ内でおすすめする画像エフェクトやプリセットのロジックを変えました。
アプリの利用促進ロジックとしては、その会員がよく使う画像加工と似た系統のものをおすすめとして表示していたのですが、退会確率が高い会員に対しては、その会員が使うものとは全く違った画像加工プリセットをおすすめするようにしたのです。
とは言っても、系統が違えば何でもおすすめしていいわけではなく、その人それぞれに刺さる傾向というのがあります。
このあたりの細かいノウハウはお教えできませんが、実はこれもAIで気づきを得る事ができました。
そして、対策した結果は…
うまくいきました。
効果は結構すぐに現れ、利用率の上昇とともに、退会率も下がりました。
ただし、これだけが原因ではなさそうだという兆候もあるため、さらなる原因追及をAI予測で行っていこうと思います。
AI予測は退会確率の低下を実現するとともに、さまざまな気づきを与えてくれました。
これがAI予測の良いところだと思います。
うちで開発している他のアプリでも有効活用出来そうなので、その利用価値を探っていこうと思います。
澁谷さくら(AIさくらさん)
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