「落とし物登録」の手間がゼロに。有明ガーデンがAI導入で現場の事務工数を劇的に変えた理由

AIさくらさんの自動画像認識により、遺失物管理の登録工数を極小化。問い合わせを7割削減し、現場の属人化と「確認待ち」のタイムロスを解消したDX成功事例。

「届くたびに接客が止まる」——アナログ管理が招いた現場の限界

大規模施設では1日に数十件以上の落とし物が届きます。これまでは、届出があるたびにスタッフが作業の手を止め、管理台帳へ「いつ・どこで・どんな特徴か」を細かく手入力していました。
「お客様をお待たせしているのに、台帳への記入が終わらない」「あの担当者でないと、保管場所の詳細はわからない」といった状態は、スタッフ間に常に微かな焦りとストレスを生んでいました。この情報のブラックボックス化こそが、対応の遅れと引き継ぎコスト増大の元凶となっていたのです。

解決策：写真を撮るだけで台帳が完成する「AI自動登録」

有明ガーデンが選定の決め手としたのは、AIさくらさんによる「入力プロセスの徹底的な自動化」です。スタッフが行うのは、「専用タブレットで対象物の写真を撮る」ことだけ。
AI解析と自動補完： 撮影した画像から、AIが「形状・色・素材・ブランドロゴ」を瞬時に解析。
カテゴリ転記： 解析データに基づき、「黒・長傘・無地」といった属性情報を台帳へ自動転記します。

■ 導入前後のオペレーション比較

比較項目	導入前（アナログ管理）	導入後（AIさくらさん）
登録作業	手入力（1件あたり3～5分）	写真撮影のみ（1件あたり30秒以内）
情報の精度	記入者の主観によりバラつきあり	AI解析による標準化されたデータ
在庫確認	保管庫へ行くか、担当者へ内線	窓口の端末から1秒で検索可能
スタッフの負担	作業のたびに接客が中断される	本来の接客業務に集中できる

「正直、導入前は『AIがどこまで判別できるのか』と半信半疑でした。しかし、実際に写真を撮るだけで台帳が埋まっていく光景を見た時、チーム全員が『これでやっと、本来の接客に戻れる』と確信しました。以前は問い合わせがあるたびに裏へ走って確認していましたが、今はその場でお客様に回答できる。この心理的なゆとりは、数字以上の価値があります。」
（住友不動産商業マネジメント株式会社 有明ガーデン 現場担当者）

効果：問い合わせ7割削減。窓口での「即時回答」がもたらした平穏

導入の成果は、バックヤードへの問い合わせ件数「約7割減少」という形で現れました。
これまでは、お客様から相談を受けると「確認して折り返します」というタイムロスが発生していましたが、現在は窓口スタッフが手元の端末を1タップするだけで、AIが自動整理した最新在庫を即座に把握できます。「未届品」についてもその場で即答できるため、お客様を待たせることなく、バックヤードへの不要な取り次ぎを完全にゼロにしました。

よくある質問（FAQ）

Q：ビニール傘など、似たような特徴の物が多い場合はどう判別しますか？
A：AIさくらさんは、単なる「色」や「形」だけでなく、傷の有無や細かな装飾まで画像解析の対象とします。また、撮影時に「受付番号」を紐づけるため、システム上のデータと現物を1対1で確実に一致させることが可能です。

Q：AIが誤認識した際、データがめちゃくちゃになりませんか？
A：AIの解析結果は、登録完了前にスタッフが画面上で最終確認・微調整できるUIになっています。この「AIによる下書き＋人間の最終確認」というフローにより、100%の正確性を維持しながら、入力工数だけを極限まで削ることに成功しています。

記事のまとめとCTA

有明ガーデンの事例は、AIに「単純作業」を任せ、人間に「対面サービス」を取り戻したDXの理想形です。「写真を撮るだけ」の自動登録が、現場のストレスを消し去り、問い合わせ7割減という圧倒的な成果を生み出しました。
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