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クリニックの電話予約をAIにまかせている現場のリアル!『ウチはカルテが古いから無理』でも大丈夫。

「うちはカルテが古いから、電話予約の自動化なんて無理だろう」――そんな声を、医療機関の方との打ち合わせで本当によく伺います。ですが実は、電子カルテ本体には一切手を入れず、「電話の入口」だけをAIにまかせることで、受付の負担や“電話がつながらない・取り切れない”状況を大きく減らしているクリニックがあります。

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目次

はじめに:実はカルテをいじらず、“電話の予約受付”をAIで自動化できます

「うちはカルテが古いから、AIで電話予約なんて無理だろう」

クリニックや医療のお客様との打ち合わせで、こうしたお話をいただくことは本当に多いです。
ただ実際には、電子カルテ本体には一切手を入れず、「電話の受付だけ」をAIにまかせている医療機関も出てきています。代表番号にかかってくる予約・変更・キャンセル・簡単な問い合わせをAIが受け持ち、カルテへの最終登録だけを今まで通り人が行う、というやり方です。

この記事でお伝えしたい結論は、とてもシンプルです。
「カルテ連携はできないから何もできない」ではなく、「カルテはそのまま、電話の入口だけAIに切り出す」という考え方に切り替えれば、受付の負担も、診察の中断も、「電話がつながらない」「電話に出られない」状況も、大きく減らすことができます。

ここから先の章では、
・なぜ「カルテが古いから無理」と考えてしまうのか
・1日100本の電話が現場からどれだけ時間を奪っているのか
・カルテに触らずに電話予約だけAI化する具体的な仕組みとイメージ事例
・高齢の患者さんが多いクリニックでAI電話を使うときの工夫
・自院がAI電話に向いているか判断するための視点
を順番に整理していきます。

 「カルテは変えたくない。でも電話だけは何とかしたい」と感じている方に向けた記事です。

医療現場でよく出る「カルテが古いから無理」という3つの理由とは

医療のお客様と話していると、「AIで電話予約を」と聞いた瞬間に、多くの方が「電子カルテの患者情報と全部つながった高度なシステム」をイメージされます。カルテの中身と完全に連携していないと意味がない、という前提で考えてしまうということです。

そこから、次のような不安がよく続きます。

一つ目は、「電子カルテのサーバーに外部システムを触らせるのが怖い」という気持ちです。院内ネットワークのポリシーや、情報漏えいのリスクへの懸念もあり、「カルテは閉じておきたい」という声をよく伺います。
二つ目は、「カルテベンダーに改修を依頼した場合の費用や期間が読めない」という点です。見積もりを取ってみないと金額が分からず、時間もかかりそうで、そこに踏み出す決裁が通りにくい、という現実的な事情があります。
三つ目は、「診療報酬やレセプトに影響が出たら困る」という不安です。カルテ周りの仕様変更は、医事課や事務長、院長、それぞれの責任範囲に関わるため、誰かが強く推進しない限り前に進みにくいテーマです。

この三つが積み重なった結果、「うちはカルテが古いから無理」という言葉になって表に出てきます。
ここで本来は、「電子カルテの中身をAIに触らせるかどうか」という話と、「電話の入口だけをAIにまかせるかどうか」という話を、きちんと切り分ける必要があります。電話を楽にしたいだけなら、カルテ本体をいじる必要はありません。この視点の切り替えが、最初の一歩になります。

1日100本の電話が、受付と診察の時間をどれだけ奪っているか

まずは、「今の電話がどれくらい現場を止めているか」を数字でイメージしてみます。
これはとある内科クリニックの先生より直接伺った数字を元にしています。

1日に鳴る電話はだいたい100件。内容は、新規予約、予約変更やキャンセル、検査結果の確認、発熱や症状の相談、ワクチンの問い合わせ、その他の質問のようです。
1件あたりの対応時間を平均3分とすると、電話対応だけで1日300分、つまり5時間分の人件費が電話に費やされている計算になります。電話が150件なら7時間半、200件なら10時間です。受付が2人体制であっても、そのうち1人分以上の時間が、ほぼ電話に取られていることになります。
しかも電話は、診察が最も混み合う時間帯に集中することが多いです。午前の外来が始まる9〜11時、午後の診療開始直後などです。そのタイミングで受付が受話器を持ち続けてしまうと、窓口対応が遅れ、会計も滞り、患者さんのストレスが溜まります。
医師も例外ではありません。発熱や症状の相談の電話が入るたびに、診察を中断して受付に呼ばれます。診察室から出て状況を聞き、方針を伝え、再び戻る。そのたびに診察の流れが途切れ、集中力も削られていきます。

この状態が続くと、待ち時間の増加、ミスや行き違いの増加、残業の慢性化、スタッフの疲弊と離職、といった問題が連鎖的に起きます。さらに、電話が立て込んで出られなかった時間帯は、そのまま「電話がつながらないクリニック」という印象につながりかねません。
つまり、「カルテが古いからAIは無理」と手を付けないままでいる間も、電話は確実に受付と診察の時間を奪い続けているということです。

カルテはいじらず「電話予約」をAI化するという解決パターン

ここで、最初の問いにもう一度戻りましょう。

「問い:電子カルテと連携せずに、電話予約を自動化する方法はあるのか」。

結論から言うと、解決パターンはあります。発想はシンプルで、「電話の入口の役割」と「カルテへの最終登録の役割」を分けてしまう、という考え方です。

AIが担当するのは、電話の入口である予約受付の部分です。患者さんから、来院希望日、時間帯、診療内容、初診か再診か、発熱の有無などを聞き取り、あらかじめ用意してある予約カレンダーの空き枠を見ながら仮予約を受け付けます。
その後の「カルテに正式な予約を登録する」という作業だけは、これまで通り受付スタッフが行います。つまり、AIはカルテ本体にはまったく触りません。病名や診療内容の詳細など、機微性の高い情報も扱いません。

AIが扱うのは、電話番号、氏名、診察券番号、希望日時、受診内容といった、予約に必要な最小限の情報だけです。役割としては、「電話で聞いていた内容を、代わりに聞いて整理してくれる受付担当」と考えるとイメージしやすいと思います。

このように役割を分けることで、「カルテはいじらず、電話予約だけAIにまかせる」という現実的なパターンが成立します。

代表番号にかかった電話をAIが受け、カルテ入力は人が行うまでの流れ

では、実際の流れをもう少し具体的に見ていきます。

患者さんは、これまでと同じようにクリニックの代表番号に電話をかけます。その電話を、まずAIさくらさんが受けます。
AI側には、あらかじめ「予約専用の電話帳」と「予約カレンダー」という二つの情報が用意されています。
予約専用の電話帳には、過去に予約をした患者さんの電話番号、診察券番号、氏名などが登録されています。これは電子カルテとは別の、小さな予約データベースです。カルテ本体ではなく、「予約メモ」がまとまっているイメージです。
予約カレンダーには、曜日ごとの診療時間帯、枠数、担当医、発熱外来枠、健診枠などが設定されています。診療時間や休診日、混雑しやすい時間帯など、クリニックごとの運用ルールを反映させることができます。

患者さんが電話をかけると、AIはまず電話番号から再来の可能性を推測し、再来であれば「前回と同じご相談でしょうか」など、自然な聞き方で会話を始めます。初診の場合は、名前や簡単な受診理由を確認します。
そのうえで、希望日と時間帯を尋ね、予約カレンダーの空きを確認しながら候補を提案します。希望時間が埋まっている場合は、「そのお時間は混み合っていますので、前後のお時間もご案内してよろしいでしょうか」といった代替案も出せます。
最後に、AIが予約内容を口頭で復唱し、患者さんと認識を合わせます。
「〇月〇日の午前△時から、いつものお薬のご相談でご予約をお取りしました。当日は受付でお名前と診察券番号を確認させていただきます。」
このように、一度「約束」を言葉で締めます。

一方、受付スタッフは、AIがまとめた「予約一覧」を画面で確認します。そこには、患者さんの名前や診察券番号、希望日時、受診内容が整理された形で記録されています。スタッフはその情報を見ながら、これまで通り電子カルテに予約を登録します。
この仕組みの中で、カルテ本体に外部システムが入り込むことはありません。やっていることは、「電話で受けていた内容をAIが代わりに受けて、スタッフに渡す」ということだけです。

オンプレ古いカルテのまま、電話予約だけAIにまかせたクリニックの一日

ここからは、医療機関の方から実際に伺っている状況に近いイメージ事例を一つ紹介します。

郊外にあるAクリニックは、一般内科と生活習慣病、健診を中心とした医療機関です。電子カルテは10年以上前に導入したオンプレミス型で、院内には「カルテベンダー以外に触らせたくない」という空気がありました。
Aクリニックでは、1日あたりおよそ120件の電話が鳴っていました。内容は、新規予約、予約変更・キャンセル、検査結果の確認、発熱の相談、ワクチンの問い合わせなどです。

特に午前外来の時間帯、9〜11時に電話が集中し、受付2名のうち1名はほぼ電話に張り付き、もう1名だけで窓口対応と会計を回している状態でした。医師も、発熱や症状の相談が入るたびに診察を中断して確認に呼ばれ、そのたびに診察のテンポが乱れていました。
そこでAクリニックは、「電子カルテには手を入れず、電話予約の入口だけAIに置き換える」という方法を選びました。

日中の予約、予約変更、キャンセル、検査結果の確認の一部は、まずAIが受けるようにしました。AIが会話で用件を聞き取り、予約で完結する内容であればその場で日時を確定します。医師の判断が必要そうな相談や、緊急性が疑われる内容は、あらかじめ決めたルールに沿って人に転送します。
数か月運用したところ、予約とその変更・キャンセルに関する電話のうち、およそ7割近くがAIの中で完結するようになりました。受付が受話器を取る回数は大きく減り、午前中に電話対応に取られている時間は体感で半分以下になったそうです。

その結果、窓口の患者対応にきちんと時間を割けるようになり、会計の列も短くなりました。医師が診察中に呼び出される回数も減り、診察の集中が途切れにくくなりました。時間外の電話についてもAIが一次受付することで、翌朝の折り返しリストが整理された形で共有されるようになりました。

電子カルテ自体は、導入前から何も変えていません。
「カルテが古いから無理だ」と考えていた環境でも、電話の入口だけをAIにまかせることで、これだけ現場の負担が変わった、という一つの実例です。

高齢の患者さんが多いクリニックでAI電話を使うときの現実的な工夫

医療のお客様からの相談で、もう一つ非常によくいただくのが、「高齢の患者さんが多いクリニックでもAI電話は使えるのか」というテーマです。
この不安の背景には、多くの場合、いわゆるIVR(自動音声応答)のイメージがあります。

「1番は予約、2番は…」というガイダンスを聞きながら、番号ボタンを押してもらう方式です。高齢の方には、ボタン操作そのものが難しかったり、ロボットのような声を冷たく感じてしまったりすることがあります。

対話型のAI電話は、このIVRとは前提が違います。番号を押してもらうのではなく、人と話すのと同じように「声だけ」で用件を伺います。
例えば、AIが「〇〇クリニックです。本日はどのようなご用件でしょうか。」と尋ねると、患者さんは「来週の火曜日に、いつもの薬をもらいに行きたいんだけど。」と答えます。AIは「かしこまりました。いつものお薬のご相談ですね。火曜日ですと、午前は△時と△時、午後は…」と会話を続けます。
途中で言い直しが入っても、話が少しそれても、AI側で調整しながら本題に戻すことができます。聞き取れなかった部分があれば、「恐れ入ります、もう一度ゆっくりお願いできますか。」と聞き返します。

もちろん、どうしても機械が苦手そうな話しぶりの方や、緊急性が高そうな内容については、人が対応する番号へすぐに転送します。最初から、AIが受ける電話の範囲と、人が必ず出る電話の範囲を、クリニックと一緒に設計しておくことが重要です。

すべてをAIに任せるのではなく、「AIが得意な部分だけに絞る」「高齢の方や重い相談は必ず人が出る」というルールを最初に決めておくことで、高齢の患者さんが多いクリニックでも現実的に運用できます。

AIに任せる電話と、人が必ず出る電話をどう線引きするか

どこまでAIにまかせて、どこから人が出るべきか。この線引きは、導入前にきちんと決めておく必要があります。

AIに任せやすいのは、診療時間や場所、持ち物、支払い方法などの定型的な案内と、予約・予約変更・キャンセルといった手続きです。健診結果の「説明予約」や、「いつもの薬だけ」「花粉症の相談」のように、ある程度パターンが決まっている相談も、一次受付としてはAIが得意な領域です。

一方で、人が必ず出るべきなのは、症状が重そうな相談や、医師の判断が必要な内容です。胸の痛み、呼吸苦、急な意識の変化など、緊急性が疑われる内容は、すぐに人が状況を聞いて判断する必要があります。また、強いクレームやカスタマーハラスメントの可能性がある電話についても、AIが一次受けをしつつ、人が対応方針を決める体制が求められます。

AIの役割は、受付スタッフを電話の最前線から少し下げることです。いきなり強い口調で始まる電話や、長引きやすい相談をまずAIが受けて内容を整理し、そのうえで必要なものだけを人につなぎます。これによって、スタッフの心の負担と時間の消耗を抑えることを目指しています。
この線引きがはっきりしていれば、現場としても安心してAI電話を運用できます。

自院が「AI電話に向いているか」を5つの観点でチェックする

ここまでの内容を踏まえて、「自院はAI電話に向いているのか」を考える際の視点を整理します。

一つ目は、一日の電話件数です。単純に件数が多く、その中で予約や予約変更・キャンセルが大きな割合を占めているかどうかがポイントになります。
二つ目は、診察時間中の動線への影響です。電話のせいで受付や医師の動きが何度も止まっていると感じている場合、AIで入口を整理する効果は当然大きくなります。
三つ目は、受付スタッフの採用と定着です。採用が難しい、入っても電話対応の負担で早く辞めてしまう、といった状況があれば、電話の負荷を下げることが離職対策にもなります。
四つ目は、時間外や休診日の電話です。夜間や休診日に「電話がつながらないこと」が課題になっているなら、AIが一次受付して翌朝の折り返しリストを整えておく形は、現実的な解決策になります。
五つ目は、「電子カルテは変えたくないが、電話だけは何とかしたい」と感じているかどうかです。カルテ周りの改修に腰が重い一方で、電話の負担は何とかしたいという状況なら、「カルテはそのまま、電話だけAI」という切り出し方が非常に相性が良いと言えます。
これらのうち、どれだけ当てはまるかを一度客観的に見てみると、自院がAI電話に向いているかが見えてきます。逆に、そもそも電話件数が少なく、完全予約制でやり取りがほとんど発生していないクリニックでは、AI電話より優先すべき改善策がある可能性も高いと考えられます。

AIを入れること自体が目的ではなく、患者さんが必要なときにきちんと電話がつながり、対応できることだと思います。そのためにどんな手段だと自分達の現場に一番合うのか、参考になれば幸いです。

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