



受付1人で回しているクリニックだと、電話が一番鳴る時間帯はだいたい決まっていると思います。
診療開始前後、午前の診療が終わる前、夕方の終了前、休診日前後。このタイミングで、受付ではすでにかなり多くの仕事が重なっています。
受付では、来院患者の受付、保険証確認、カルテ準備、会計、各種書類の処理、院内からの呼び出し対応が同時進行しています。
そこに「予約したい」「時間を変えたい」「今日診てもらえるか確認したい」といった電話が一気に重なるので、単純に手が足りなくなります。
その結果、こういう状況になりがちです。
電話が鳴っているのは聞こえているが、目の前の患者対応を優先せざるを得ない。
ようやく受話器を取ると、すでに何十秒も鳴り続けた後で、相手は少し不機嫌。
「診療時間内なのに、全然つながらないですね」と言われ、スタッフも院長も気持ちがすり減る。
とはいえ「もう1人受付を雇う」のは、現実的ではない場合が多いはずです。
フルタイムで1人増やせば、人件費は年間で数百万円単位になります。それに対して、電話が本当にパンクするのは、1日のうちの数時間だけです。
つまり問題は「電話という手段そのもの」ではなく、「すべての電話を、人だけで受けようとしている仕組み」にあります。
ここに「同時に何本でも受けられるAI」をうまく組み合わせていくと、構造そのものを変えていくことができます。
ここからは、「AIで予約電話を受ける仕組み」を、3つの分担モデルで整理していきます。
ここで言う「AI予約電話」は、患者さんがいつものクリニックの電話番号にかけると、最初にAIが受けて、予約や簡単な質問に対応する仕組みのことです。
1つ目は、再診の予約だけをAIに任せるモデル。
2つ目は、再診の予約に加えて「時間変更」までAIで受けるモデル。
3つ目は、予約とあわせて「診療時間・アクセス・持ち物」などの定型質問までAIで受けるモデル。
順番に、中身とメリット・注意点を見ていきます。
一番始めやすいのがこのモデルです。
再診の患者さんは、診察券番号や受診歴があり、予約パターンもある程度決まっています。
AIが受ける内容は、例えばこのくらいに絞ります。
「再診かどうかの確認」「いつ頃の受診か」「希望の日と大まかな時間帯」「お名前と生年月日」など、スタッフが普段聞いている内容だけです。
AIがそれを聞き取り、予約システムや予約表に転記していきます。
このモデルの良いところは、以下のような点です。
・新患や複雑な相談は相変わらず人が受けるので、「AIに任せて大丈夫か」という不安が比較的小さい。
・再診予約は件数が多く、聞く内容もパターン化しやすいため、AIとの相性が良い。
・受付の体感として「ピーク時の電話の半分くらいはAIに流れている」という状態を作りやすい。
一方で、AIに任せる範囲が再診に限られるため、「つながらない時間」をゼロに近づけるところまではいかず、「まずは受付のストレスを1〜2段階下げる」くらいの効果になります。
「いきなり大きく変えるのは怖いが、とにかく一歩目を踏み出したい」先生には合いやすいモデルです。
次のステップが、「再診予約」に加えて「時間変更」の電話もAIで受けるモデルです。
実際、現場で負荷が高いのは「既に入っている予約の変更連絡」というケースがかなり多いはずです。
AIが行うのは、再診の予約受付に加えて、以下のような動きです。
「〇月〇日の△時の予約を、同じ週の午前中に変えたい」といった要望に対して、空いている枠を確認し、候補を2〜3個提示して、その場で変更を確定する。
最後に「〇月〇日の△時に変更しました」と復唱し、その内容を予約システムに反映します。
このモデルの良いところは、次のような点です。
・予約変更の電話は、スタッフにとって心理的にも負担が大きい(患者さんが少しイライラしていることが多い)ので、ここをAIが最初に受けてくれると受付の精神的負荷がかなり軽くなる。
・新規予約と時間変更の両方をAIが受けるため、ピーク時の電話のかなりの割合をAIにオフロードでき、「つながらない」と言われる場面を目に見えて減らしやすい。
・変更履歴がデータとして残るので、「どの時間帯に変更が集中しているか」「どんな理由が多いか」が後から見えるようになる。
注意点としては、予約枠のルールをきちんと言語化しておく必要があることです。
「検査が必要な診療はこの枠にしか入れない」「初診と再診で枠を分ける」「リハビリ枠は連続で取らない」など、スタッフが暗黙の了解で運用しているルールを、一度整理してAI側に渡す必要があります。
その整理をきちんとやれば、受付1人のクリニックでも、「新規予約と時間変更の8〜9割をAIが先に受け、ややこしいケースだけが人に回ってくる」という状態を作りやすくなります。
3つ目は、「予約」とあわせて、診療時間やアクセス、駐車場、持ち物などの「定型の質問」までAIに任せるモデルです。
ここで言う「定型の質問」とは、例えば次のような内容です。
「今日は何時まで診療していますか」
「初診でもWEB予約は必要ですか」
「駐車場はありますか」
「健康診断のときに持っていくものは何ですか」
こうした質問は、1件あたりの会話時間は短いものの、件数が多く、結果としてスタッフの時間を大きく奪っていることがよくあります。
AIに、あらかじめQ&A(よくある質問と答え)を覚えさせておけば、こうした問い合わせはAIが完結できます。
このモデルのメリットは、次の通りです。
・「人でなくても答えられる会話」をかなりの部分までAIに移せるため、スタッフの体感として「電話に追われている感じ」が大きく減る。
・診療時間やアクセス案内などは、答えが決まっているので、AIの回答ぶれが少なく、安定しやすい。
・電話で案内していた内容を、AIが自動音声だけでなくSMSなどでURL送信する形に変えることで、「説明にかかる時間」そのものを短縮できる。
一方で、このモデルまで踏み込むと、AIの作り込みと運用の設計が少し本格的になります。
最初からここを狙うのではなく、モデル1→2→3と段階的に広げていった方が、現場の負担や「AIへの不信感」を減らしながら進めやすくなります。
AI予約電話の分担モデルは、机上の話ではありません。実際の現場でも、近い考え方で導入が進み始めています。
千葉県八千代市の浜野胃腸科外科医院では、代表電話に診療時間や検査説明の問い合わせが集中し、スタッフが何度も同じ説明を繰り返していることが課題でした。
そこにAIさくらさんの電話対応を入れ、「診療時間」「検査前の注意」「持ち物」など、パターン化できる問い合わせをAIが先に受けるようにしました。
結果として、スタッフが直接対応する電話は目に見えて減り、「外来対応に集中できる時間が増えた」「説明を丁寧にできるようになった」という声が院内から出ています。
また、医療機関ではありませんが、「電話が集中する現場でAIがどう役に立つか」を考えるうえで、茨城県潮来市の事例も参考になります。
潮来市では、イベント期間中に市役所代表の電話にAIさくらさんを導入し、約530件の電話のうち9割以上をAIで自動回答しました。
それまで2〜3人の職員が電話に張り付きだったところから、その人員を来庁者対応に回せるようになり、「精神的な余裕が生まれた」「24時間いつでも聞けるようになった」といった評価も出ています。
電話の内容は自治体とクリニックで違いますが、構造はよく似ています。
特定の時間帯に電話が集中すること、同じ質問が何度も繰り返されること、電話対応に人が取られて本来やるべき仕事に手が回らなくなること。
浜野胃腸科外科医院や潮来市の例は、「人でなくていい会話をAIが受け、人でないと困る会話にスタッフの時間を集中させる」という方向性が、現場レベルでも現実的であることを示しています。
では、自分のクリニックではどの分担モデルが合うのか。
最初にやるべきことは、難しいことではなく、「紙に書き出すこと」です。
一日の中で、電話が特に重く感じる時間帯はいつか。
その時間帯に、どんな用件が多いか(再診なのか、時間変更なのか、検査の確認なのか)。
本当は、受付スタッフに何を優先してほしいか(来院患者の対応なのか、会計なのか、書類なのか)。
この三つを書き出すだけで、「まずAIに任せるべき部分」がだいたい見えてきます。
再診の予約が多いようならモデル1から、時間変更が多いならモデル2から、診療時間やアクセスを毎日のように聞かれているならモデル3に近い形から、といった具合です。
次に、「AIに任せないライン」を決めておきます。
症状相談、強い不安や怒りを感じている電話、クレームに発展しそうな内容などは、最初から人で受ける前提にしておいた方が安全です。
AIさくらさんのようなサービスであれば、「声の調子や言葉づかいから、一定以上の緊張感があるときは人に回す」といった設計もできます。
最後に、「どの分担モデルで始めるか」を決めたうえで、ベンダー側に相談するのが現実的です。
いきなり完璧な形を目指す必要はありません。
例えば「まずは再診予約のAI受け付けだけ」「まずは診療時間とアクセス案内だけ」といった小さな一歩から始め、数週間〜数か月かけて少しずつ範囲を広げていくやり方の方が、現場にも患者さんにも無理がありません。
受付1人で、電話と来院患者の両方を必死に回していると、「もう一人雇うしかないのか」と考えがちです。
ただ、電話が本当に重くなるのは一日のうちの一部の時間で、そのピークを支えるためだけに人を増やすのは、どうしてもコスト効率が悪くなります。
AIで予約電話を受ける仕組みは、「人を増やさずに、仕組みを変えて余裕を作る」ための選択肢の一つです。
AIさくらさんのように、医療機関や自治体の電話対応で実績のあるサービスであれば、自院の電話本数や受付体制をもとに、「まずはどの分担モデルから始めるのが現実的か」「どこまでAIに任せて、どこから人が受けるべきか」を一緒に設計できます。
「うちのクリニックでも、本当に“つながらない”時間を減らせるのか」
そう感じた先生は、まず今の電話の悩みと大まかな本数を書き出してみてください。
そのうえで、AIさくらさんのような医療機関向けのAI電話対応サービスに、「自院なら、どこまでAI予約電話に任せるのが良さそうか」を一度相談してみる。
その小さな一歩から、受付1人でも回しやすい診療体制に近づいていきます。
AIさくらさん(澁谷さくら)
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