



導入当初、AIさくらさんには庁舎案内などの幅広い役割が期待されていました。
しかし、実際の利用状況データを分析すると、ある傾向が浮き彫りになりました。
「トイレはどこ?」「〇〇課はどこ?」といった場所の案内よりも、圧倒的にニーズが高かったのが「マイナンバーカードの申請サポート」でした。
複雑な申請書の書き方が分からず困っている市民にとって、ただ場所を教えるだけのAIよりも、「対話しながら申請書を作成・印刷してくれるAI」の方が、実利があり頼りになる存在だったのです。
この結果を受け、現場では「庁舎案内」よりも「申請サポート」に軸足を置き、市民の手続きにしっかりと寄り添う形へと運用を最適化させました。
実際に運用を始めると、申請書の印刷件数は着実に伸びており、市民の役に立っていることが確認できました。
その中で、さらに使いやすくするための工夫も見えてきました。
役所の手続きでは専門用語が飛び交いますが、市民は普段使いの言葉で話しかけます。
AIさくらさんは「コクホ(国民健康保険)」や「セイホ(生活保護)」といった、市民が使いがちな略語にもスムーズに反応できるよう調整されています。
これにより、言い直しや検索エラーのストレスがなくなり、高齢者でも自然な会話で手続きが進められるようになりました。
課題として挙がったのが、申請書作成画面までの「導線」です。
これまでは市民からの操作を待っていましたが、今後はAIさくらさん側から「マイナンバーの申請ですか?」と能動的に声をかける機能の強化を検討しています。
AIが先に話しかけることで、操作に不慣れな市民の心理的ハードルを下げ、利用率をさらに向上させる狙いです。
マイナンバー申請での成功を足がかりに、現場ではさらなるフロント業務の自動化を見据えています。
次に目指しているのは、「住民票の取得」などの手続きを、会話だけで完結させる仕組みです。
タッチパネルの複雑な階層を辿るのではなく、窓口職員に頼むように「住民票が欲しいんだけど」とAIに話しかけるだけで手続きが終わる。
技術的な調整は必要ですが、これが実現すれば、窓口職員の負担は劇的に軽くなります。
また、問い合わせが多い「ごみ出し」についても、AI化を進めています。
自治体によっては明文化されていないローカルルールや、判断に迷う分別も存在します。
これらをマニュアル化してAIに学習させることで、職員が個別に判断していた時間を削減し、市民への回答精度を統一していく計画です。
この事例が示しているのは、「AIは何でもできる」よりも「特定の面倒なことをやってくれる」方が、市民にとっては価値があるということです。
「マイナンバー申請」という、市民にとっても職員にとっても負担の大きい業務に特化したことで、AIさくらさんは「単なる案内板」ではなく「頼れる窓口スタッフ」としての地位を確立しました。
・マイナンバーカードの申請補助
・住民票や印鑑証明の発行手続き
・複雑なごみ出しルールの案内
漠然と導入するのではなく、「一番負担が大きい業務」にAIの役割を絞ることで、導入効果は最大化します。
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AIさくらさん(澁谷さくら)
ChatGPTや生成AIなど最新AI技術で、DX推進チームを柔軟にサポート。5分野のAI関連特許、品質保証・クラウドセキュリティISOなどで高品質を約束します。御社の業務内容に合わせて短期間で独自カスタマイズ・個別チューニングしたサービスを納品。登録・チューニングは完全自動対応で、運用時のメンテナンスにも手間が一切かかりません。