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観光案内所は「データの宝庫」だった。糸魚川市がAIログから見つけ出した、観光客の“意外な本音”

「今年の観光客は、どんなことに興味を持っているのか?」この問いに対し、多くの地方観光地は長年、ベテラン職員の「肌感覚」や「経験則」に頼ってきました。しかし、新潟県糸魚川市観光協会のアプローチは違います。同協会はAI接客システム「AIさくらさん」を導入することで、案内業務を自動化するだけでなく、月間約1,800件もの「観光客との対話データ(ログ)」を手に入れました。本記事では、AIが単なる「案内係」を超え、地域の観光戦略をアップデートする「最強のマーケティング・ツール」として機能し始めた事例を解説します。

駅・商業施設・窓口など、AIアバターで離れたところから接客

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目次

有人窓口では拾いきれない「サイレントな本音」

従来の有人窓口で得られる情報は、実は氷山の一角に過ぎません。「窓口に並ぶほどではない質問」や「営業時間外のニーズ」は、職員の耳には届かず、そのまま消えていました。

「遠慮して聞けなかったこと」がデータに残る

AIアバター相手であれば、観光客は遠慮しません。「一番安い宿は?」「雨でも遊べる場所はある?」「ベジタリアン対応のラーメン屋は?」こうした、人間相手には聞きづらい、あるいは些細すぎて聞かない質問も、AIさくらさんなら全てログとして記録されます。
この「飾らない本音のデータ」こそが、次の観光施策を考えるための重要なヒントになります。

経験則から「数値」へ。月1,800件のログ活用

糸魚川市では、導入後に月間約1,800件の問い合わせ対応実績が出ています。
これは単に「1,800回案内した」だけでなく、「1,800個のニーズが集まった」ことを意味します。

ニーズの「見える化」で企画が変わる

これまでは「夏だから海をPRしよう」といった季節ごとの定石で動いていましたが、AIのデータを分析することで、「実はこの時期、特定の特産品に関する検索が増えている」といった意外なトレンドを発見できます。
職員が電話対応から解放され、月150時間の余力が生まれた今、その時間をこうした「データ分析」と「ターゲットを絞った企画立案」に充てることができるようになりました。

データを地域全体でシェアする「地域DX」のハブに

同協会の展望は、観光協会の中だけで完結しません。AIが集めたデータを、市内の宿泊施設や飲食店と共有する構想を描いています。

「AIがハブになる」地域連携

例えば、AIへの問い合わせで「夜に開いている居酒屋」の検索が多いことが分かれば、市内の飲食店に夜間営業の延長を提案したり、特集ページを作成したりすることができます。
AIさくらさんを「地域のコンシェルジュ」として育てることで、観光客・事業者・観光協会の三方良しのサイクル(地域DX)を回す仕組み作りを目指しています。

まとめ

糸魚川市観光協会の事例は、AI導入の目的を「業務効率化」だけで終わらせてはいけないことを教えてくれます。


業務削減:職員の時間を空ける(月150時間削減)
データ収集:観光客のリアルな声を集める(月1,800件)
戦略立案:データに基づいた「攻め」の施策を打つ

この3ステップこそが、これからの観光地経営に求められるDXの形です。
あなたの街の観光案内所も、AI導入で「マーケティング拠点」へと進化させてみませんか?

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