



DXの目的は「業務効率化」という言葉で濁されがちですが、本事例の目的は明確なコストカットでした。
多くのDX事例では「顧客満足度の向上」や「新しい体験の提供」が前面に出されますが、現場の担当者が抱えるミッションはもっと現実的で切実です。
今回のインタビューにおいて、導入のきっかけは非常に明確に語られました。
「観光案内業務を効率化し、観光局としての人員を削減することが目的でした」
これは、多くの自治体や企業が直面している「予算は減らされるが、成果(案内件数や品質)は落としてはいけない」というジレンマそのものです。この課題に対し、単なる業務支援ツールではなく、「人の代わり」として機能するソリューションが求められていました。
スタッフとAIが一定期間一緒に働くことで、スムーズな移行と知見の蓄積が可能になりました。
「明日から無人です」と告げられれば、現場スタッフも利用者も戸惑います。しかし、本事例では慎重なステップを踏みました。
「最初はスタッフとAIさくらさんが並走しながら運用を始めたのですが、特に大きな問題もなく…」
この「並走期間」があったからこそ、AIが得意なこと(定型的な案内)と苦手なこと(複雑な相談)の整理ができ、最終的に安心してAIに任せられる体制が整ったのです。
並走期間を経て、現在はトラブルなく「完全無人化」での安定稼働を実現しています。
並走期間を終えた現在、観光案内所の風景は一変しました。そこには以前のような有人スタッフの姿はありません。
「現在は当初の予定通りAIさくらさんのみで案内を行っています。利用者の方からも違和感なく使っていただけており、スムーズに移行できたと感じています」
「違和感なく」という言葉は、AIの対話精度やインターフェース(UI)がいかに人間に近い自然なものであったかを物語っています。結果として、当初の目的であった「人員削減」は、サービス低下を招くことなく達成されました。
本事例では「並走期間」を設けることでスムーズに移行し、利用者からも違和感なく受け入れられています。結果としてサービス低下を招かず、むしろ対応時間の拡大(第3回で詳述)などのメリットが生まれています。
施設の規模やカスタマイズ内容によりますが、初期設定から並走期間を経て完全無人化に至るまで、段階的に進めることが推奨されます。
第1回では、「人員削減」というハードな課題に対し、AIと人の「並走期間」を設けることで、摩擦なく完全無人化へ移行できた経緯をご紹介しました。
しかし、AI導入のメリットはコストカットだけではありません。次回以降は、無人化したことによって逆に向上した「サービス品質」について深掘りします。
次回予告:第2回「いきなり無人は失敗する? スタッフとAIの『並走期間』が成功の鍵だった」
AIさくらさん(澁谷さくら)
ChatGPTや生成AIなど最新AI技術で、DX推進チームを柔軟にサポート。5分野のAI関連特許、品質保証・クラウドセキュリティISOなどで高品質を約束します。御社の業務内容に合わせて短期間で独自カスタマイズ・個別チューニングしたサービスを納品。登録・チューニングは完全自動対応で、運用時のメンテナンスにも手間が一切かかりません。
アバター接客さくらさん
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