小豆島町は、観光客増加とインバウンド対応のため、デジ田補助金を活用し坂手港にAIさくらさんを導入。多言語対応と時間外案内を実現し、職員の負担軽減と観光客の利便性向上を両立させた。
大規模なイベント開催は地域活性化のチャンスである一方で、観光地の「案内体制」が抱える構造的な問題を露呈させます。
小豆島町の坂手港では、新しいターミナルが完成したことを契機に、観光案内所を設置することが決定しました。しかし、2025年には大阪・関西万博や瀬戸内国際芸術祭2025が開催されることが控えており、担当者は来るべき外国人観光客の増加に危機感を覚えていました。
現場の課題： 坂手港は「関西からの玄関口」として非常に重要な役割を果たしますが、従来の体制では多言語でのスムーズな対応や、夜間・早朝といった時間外対応が難しく、案内所の機能が限定的になってしまうという懸念がありました。
ドロドロした苦労話： 外国語に堪能な職員を常時配置することは難しく、人の配置時間外に到着した観光客への対応や、職員の多忙な時間帯での対応負荷増大は、観光地特有の職員の負担につながります。
このような課題を解決するため、小豆島町はデジタル技術による解決策を模索。デジ田（デジタル田園都市国家構想）の補助金を活用する中で、AI案内システム「AIさくらさん」の存在を知り、導入を決定しました。
多種多様なソリューションがある中で、「AIさくらさん」が選ばれたのは、単なる機能面だけでなく、観光案内所という現場のニーズと、サポート体制が決め手となりました。
小豆島町が特に評価した点は、「多言語対応や時間外対応は、これからの観光案内に不可欠だと感じています」という機能性への期待と、提供元であるティファナの「提案がとても優れており、機能や利便性をわかりやすく示していただけた」という導入のしやすさ、そして「導入後のサポート体制の充実」でした。
AIさくらさんの導入によって、小豆島町は観光案内所を大きく進化させました。単にテクノロジーを導入するだけでなく、「地域の色」を残すための運用ポリシーも確立しています。
AIの導入により、これまで人が対応できなかった夜間や早朝の時間帯も、観光客からの質問に多言語で対応できるようになりました。これにより、坂手港ターミナルは実質的に24時間体制で多言語案内を提供する体制となり、観光客の利便性向上という定量的効果を生んでいます。
導入後も小豆島町はAIを単なる「機械」としてではなく、地域の一員として捉える姿勢を示しています。
「観光案内をメインにしつつも、小豆島らしさを残し、人との共存を目指したいと考えています」（担当者）
職員の負担を軽減しつつも、温かい「人によるおもてなし」の部分を大切にし、AIをそのサポート役として機能させるのが狙いです。担当者は今後の展望として「観光客がより快適に楽しめるよう、AIさくらさんとともに観光案内所を成長させていきたい」と語っており、AIのスキル拡張にも期待を寄せています。
A: 多くのAI案内サービスは、Web上の情報を連携したり、簡単な管理画面から情報を更新できる仕組みを採用しています。小豆島町の事例でも、導入後のサポート体制が決め手の一つとなっており、運用担当者の情報更新や学習の工数を大幅に抑えることが可能です。
A: 小豆島町は「デジ田（デジタル田園都市国家構想）」の補助金を活用しています。その他にも、各省庁が発表するDX推進関連の補助金や、インバウンド対応の支援事業などが利用できる可能性があります。導入検討の際は、専門のベンダーに相談しながら補助金情報を精査することが重要です。
小豆島町の事例は、観光地特有の「多言語」「時間外」という構造的な課題に対して、デジタル技術（AI）と財源確保（補助金）を戦略的に組み合わせることで、解決への道筋を示しました。
「人がおらず、機会損失している」「職員が本来注力すべき業務に集中できない」といったお悩みを抱える観光地の自治体・企業の皆様、AIによる観光DXは、課題解決への有効な一手です。
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