AIチャットボットの「Q&A作成」は不要。 国富町が実践した、資料をアップロードするだけの時短運用術

DX担当者を疲弊させる「データ準備」の罠

「AIを導入したけれど、賢く育てる時間がない」「各課からQ&Aを集めるだけで数ヶ月かかった」

自治体DXの現場で頻発するのが、導入後の運用フェーズにおける挫折です。特に、従来のチャットボット導入では、職員が膨大な時間をかけて「質問」と「回答」のペアをExcelで作成し、システムに登録する作業（いわゆる「Q&Aリスト作成」）が必須でした。

宮崎県国富町（人口約1.8万人）の導入担当者も、当初はデータ準備に対する懸念を持っていました。庁内の各担当係には、住民向けの案内資料やマニュアルが散在しており、これらをAI用に加工し直すのは膨大な手間がかかるからです。

しかし、同町が導入した「AIさくらさん」は、この常識を覆す機能を備えていました。

ファイルを入れるだけ。「驚き」の学習プロセス

国富町の事例で特筆すべきは、データ準備にかかった工数の少なさです。インタビューにおいて、担当者はその時の驚きをこう語っています。

「特にFAQデータの準備では、各担当係が持っている資料をアップロードするだけで、AIさくらさんが学習してくれることに驚きました。これによりデータ準備の手間が大幅に減ったと思います」

従来のAI導入と、今回の国富町の事例（AIさくらさん）を比較すると、その差は歴然です。
【従来のAIチャットボット】
・作業内容： 職員が想定される質問を考え、それに対する回答を作成し、Excelに入力する。
・所要時間： 数週間〜数ヶ月。
・担当者の心理： 「通常業務に追加してこの作業は無理」「面倒くさい」。


【今回の事例（AIさくらさん）】
・作業内容： 既に庁内にあるPDF、Word、PowerPointなどの資料をそのままシステムにアップロードする。
・所要時間： ファイルをドラッグ＆ドロップする時間＋AIの自動解析待ち時間のみ。
・担当者の心理： 「学習してくれることに驚き」「手間が大幅に減った」。


このように、人間がAIに合わせてデータを加工するのではなく、「AIが人間の資料を読み解く」アプローチをとることで、導入のハードルは劇的に下がります。

メンテナンスフリーがもたらす「本来の業務」への集中

データ作成の時間が浮いたことで、国富町の担当者は本来注力すべき業務に時間を割くことができました。
それは、単なるデータ入力作業ではなく、「住民にどう使ってもらうか」というサービスの質を高めるための企画・運用です。

「4月以降、これまで担当していた2名の案内担当者はいなくなりますので、AIさくらさんが一人前の案内人として定着することを目指しています」

面倒な裏方作業（データ整備）をAIの自動学習に任せることで、職員は「AIからの声掛け設定」や「住民への周知」といった、より付加価値の高い業務にリソースを集中させることが可能になったのです。

よくある質問（FAQ）

Q1: 手書きの資料や古いPDFでも学習できますか？

A: はい、基本的には可能です。OCR（光学文字認識）技術と組み合わせることで、画像化された文字データも読み取り、学習リソースとして活用できます。

Q2: 誤った回答を学習してしまった場合は？

A: 管理画面から該当箇所を修正するだけで即座に反映されます。また、運用サポートチームによる定期的なチューニングも行われるため、使えば使うほど精度が向上します。

まとめ

「Q&Aリストを作る時間がない」という理由でAI導入を躊躇する必要はありません。
宮崎県国富町のように、既存資料を入れるだけの「時短運用」で、スムーズなDXを実現しませんか？


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