



少子高齢化による職員不足が深刻化する中、自治体業務の維持にはAI技術の活用が不可欠です。
自治体がAIを導入する際、目的によって大きく「AI職員」と「チャットボット」の2つのソリューションに分類されます。
AI職員とは、人工知能を活用して「職員の業務(裏方作業)」を自動化・支援するシステムのことです。
庁内の例規集や過去の議事録を学習し、窓口対応時の規定確認、統計データの解析、広報文の作成支援など、職員のルーティンワークを大幅に削減します。近年では災害時の情報収集など、高度な業務での活用も進んでいます。
チャットボットとは、「住民サービスの向上」を目的として、住民からの問い合わせに自然言語で自動応答するシステムです。
市役所のホームページや公式LINEに設置され、住民票の発行手順やゴミの分別、税務申告のサポートなどを行います。
情報政策課がシステム選定を行う際、この2つの役割を混同しないことが重要です。
ここで、弊社が支援した自治体様で実際に起こった「失敗談」と「成功の裏話」を共有します。
ある自治体様では、「AIを賢くしよう」と、ファイルサーバーに眠る過去10年分のPDF(古い議事録や廃止された要綱など)をすべてAIに読み込ませました。その結果、どうなったか。
AIが「古い手続き」と「新しい手続き」を混同し、誤った案内(ハルシネーション)を連発してしまったのです。
成功の鍵は、AIの性能そのものよりも「データの断捨離(クレンジング)」にありました。
不要なデータを削除し、「最新の例規集」と「直近1年分のFAQ」だけに学習データを絞り込んだ結果、回答精度は劇的に向上し、現場の職員が安心して使えるレベルに到達しました。AI導入は「とりあえず全データを入れる」のではなく、良質なデータだけを選別するプロセスが不可欠です。
自治体が生成AIを活用する際、最大の壁となるのが「ハルシネーション(もっともらしい嘘)」です。福祉や税の手続きにおいて、誤った回答は許されません。
この課題に対し、複雑な運送約款やダイヤ案内を扱う公共交通機関(阪急電鉄様など)で採用されている「RAG(検索拡張生成)」技術が注目されています。鉄道の運送約款の複雑さは、まさに自治体の例規集に通じるものがあり、共に「正確な規定」に基づく厳格さが求められるからです。
RAG技術は、インターネット上の不確かな情報ではなく、「自治体が登録した公式な例規集やFAQ」のみを根拠(参照元)として回答を生成します。
また、回答とともに「参照した根拠ドキュメントへのリンク」を提示することで、職員が即座に事実確認を行える「回答ソースの明示による確認容易性」を提供し、行政に求められる「極めて高い正確性と信頼性」をシステム的に支援します。
自治体AI活用の効果は絶大ですが、導入には情報政策課がクリアすべき課題があります。
利点: 24時間365日の稼働による市民サービスの拡充、職員の人件費・超過勤務手当の削減。
課題(複雑な問い合わせへの対応): AIは複雑な個別事情を汲み取るのが苦手です。「AIで解決できない場合は有人チャットや電話窓口へ引き継ぐ」という導線設計が必要です。
課題(セキュリティと環境): 庁内向けの「AI職員」として活用する場合、インターネットから分離されたLGWAN環境下で安全に利用できる(入力データがAIの再学習に使われないオプトアウト仕様の)システムを選定する必要があります。
自治体におけるAI技術の活用は、「AI職員」による庁内業務の効率化と、「チャットボット」による住民サービスの向上の両輪で進める必要があります。
情報政策課・DX推進室の役割は、単なるツールの導入ではなく、「LGWAN環境で安全に使え、かつ正確な情報ソースを明示できる(RAG)AI基盤」を選定し、適切なデータ管理のもとで全庁へ展開することです。
まずは、住民からの問い合わせが多い「ごみ出し」や「各種証明書の発行」、あるいは職員の負荷が高い「庁内規定の確認」のどちらから着手するか、検討を始めてみませんか?
▼【自治体・官公庁向け】LGWAN対応 AI・チャットボット導入ガイド
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