



「社内データをAIに学習させたい」という要望をよく耳にしますが、実は「学習(ファインチューニング)」は推奨されません。
理由は、コストが高額であることと、学習したデータがAIの脳内に溶け込んでしまい、後から特定の機密情報だけを削除したり、情報ソース(根拠)を提示させたりすることが困難になるからです。
現在の主流であり最適解となるのが「RAG(Retrieval-Augmented Generation)」です。
仕組み: ユーザーの質問に対し、まず社内データベース(ファイルサーバー等)を検索し、関連する文書を抽出。その文書をChatGPTに渡し、「この文章を元に回答を作成して」と指示する技術。
メリット: AIモデル自体には学習させないため安全。常に「最新の社内データ」を根拠に回答するため、ハルシネーション(嘘)を防げる。
「本当に自社の複雑なデータを、AIが正しく理解できるのか?」
その懸念に対し、技術的な信頼性の根拠となるのが阪急電鉄様の実証実験です。
鉄道の「運送約款」や「ダイヤ情報」は、企業の「就業規則」や「製品マニュアル」と同様に、複雑で正確性が求められるデータです。
阪急電鉄様では、これらのドキュメントをRAG技術を用いてAIに連携させ、乗客や駅員への正確な案内を実現しています。
「鉄道特有の内容をご案内する必要がありましたが、貴社のノウハウを活かしてスムーズに対応していただけたと感じています」
この「指定されたデータのみを正として扱う」インフラ品質のRAG技術こそが、社内データ活用の成功の鍵となります。
社内データをRAGで活用する際、情シス部門は必ず以下の壁に直面します。
課題: ファイルサーバーに「最新版_確定_v2.pdf」のような古いデータやゴミデータが散乱しており、AIが誤った情報を拾ってしまう。
解決策: すべてのデータをAIに繋ぐのではなく、まずは「人事規定」「情シスFAQ」など、正本が管理されている特定のフォルダのみをRAGの対象とするスモールスタートを徹底します。
課題: 役員会議事録や特定プロジェクトの機密データが、一般社員のチャットボットから検索できてしまうリスク。
解決策: AIチャットボットツールを選定する際、Active Directory等と連携し、「質問したユーザーが閲覧権限を持つファイルのみ」を検索対象とするACL制御機能が備わっているかを確認します。
課題: ChatGPT(OpenAI)側に、自社の機密データが学習されてしまう懸念。
解決策: 無料版のWebブラウザ経由ではなく、API連携やAzure OpenAI Serviceを利用し、「入力データおよび参照データ(RAG)をモデルの再学習に利用しない(オプトアウト)」環境を構築します。
セキュアなRAG環境が構築できれば、ChatGPTの高度な言語能力が社内データを劇的に活性化させます。
社内ヘルプデスクの無人化: 「経費精算のやり方」など、マニュアルを見れば分かる質問をAIが即答。情シスの対応工数を大幅に削減します。
過去の提案書・ナレッジの横断検索: 「過去のA社向けの提案書から、競合対策の部分だけを要約して」といった高度な情報抽出が可能になります。
専門用語の翻訳: 新入社員が社内特有の略語や専門用語を入力しても、AIが社内用語集を参照し、分かりやすく解説してくれます。
企業内に眠る膨大な非構造化データ(Word、PDF、社内報、チャットログなど)は、これまで「検索できない死蔵データ」でした。
しかし、インフラ業界でも実証されたRAG技術とChatGPTを組み合わせることで、これらのデータは「24時間いつでも正確に答えてくれる社内アシスタントの脳」へと生まれ変わります。
情シス部門の役割は、データを綺麗にフォルダ分けすることから、「安全にAIが検索できる基盤(RAG)を整備すること」へとシフトしています。まずは、情シス部門内のFAQデータからAI化を始めてみませんか?
▼【情シス・DX担当向け】社内データ活用・RAG構築ガイド
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