私は、ある新幹線の車掌として10年ほど働いています。
一応、車掌を取りまとめる地位ではあるので、よくクレームの対応を受けます。
若手には対応が難しいですからね。
ただ最近、お客様対応で私も頭を悩ませていることがあります。それは落とし物に関することです。
目の前で落とされたお客様がいて、その場で対応できれば一番良いのですが、そんなことは稀です。車内を巡回していると、座席にスマホや財布、鍵などが忘れものとして残されていることが多いです。
忘れものを見つけた場合は、一度近くの駅もしくは落とし物管理しているセンターに送らなくてはならないのです。
忙しいので、情報をメモしている時間もなく、どのタイミングで見つけたものなのかあやふやになってしまうことも。
先日は、お客さまからこんなクレームがありました。
「なんでつながらないんだよ!」
「申し訳ございません。見つけた場合はご連絡させていただきますので」
「鍵を落としたんだけど、届いてないの?届いてるのどっちなの?」
「そちらも確認中なので、もう少しお時間いただければと思います」
大切な物なので、早く見つけたい気持ちはわかるのですが、私も日々対応に追われているのでどこに落とし物があるのかわからないことが多いです。何とか冷静になってもらえるように私も対応するのですが、まず捜索するのにも、新幹線は広いので、時間がかかります。流石にお客さまに近くに忘れ物がないでしょうかというのは難しいですね。
私も車掌としての仕事がありますし、正直忘れ物の対応に時間を割くことが難しいです。このままだと理不尽なクレームで、離職を選ぶ社員もいるようです。どうにか改善することができないか考えていました。
忘れ物の管理を効率化できないかネットで探していると、遺失物管理のアプリを提供しているティファナさんを見つけました。
落とし物を見つけたら、車掌が持っているスマホで写真を撮影するだけで簡単登録。なんどAIが自動で本部の忘れ物センターや駅の遺失物センターに共有、登録してくれるようです。大手の駅にも導入されており、実績もよさそうでした。
お客さまが、スマホなどで本部の忘れ物センターや駅の遺失物センターに連絡すると、AIによる自動音声で対応します。登録がされていれば、本部や駅に届いているか・登録はされているけど本部には届いていないのか、またそのような忘れものがなかったのかが明らかになります。いずれにせよあった場合は、どこに向かえばいいのか案内までしてくれます。
ここまで人がかかわる部分はありません。
この忘れ物検索システムを導入したことによって、落とし物対応のクレームがなくなりました。
これは画期的です。どれだけ注意しても、落とし物が減ることはないので、AIを導入してよかったと感じています。
また、AIが対応してくれるので電話が込み合う、繋がらないといったことがないらしいです。ティファナさんによると同時に1000人が掛けても問題ないとのこと。これはほかのグループ会社にも導入を進めてみようと思います。
私もお客さまと同じ立場であれば、どこに物があるのか、そもそも見つかっているのか知ることで安心する方は多いと思います。このような遺失物管理のシステムを整えておくことで、車掌たちも安心しています。今後もAIを活用して、業務効率化を図っていきたいと思います。
澁谷さくら(AIさくらさん)
登録・チューニング作業をお客様が一切することなく利用できる超高性能AI。
運用やメンテナンス作業は完全自動化。問い合わせ回数や時間を問わない無制限サポート、クライアントの業務に合わせた独自カスタマイズで、DX推進を目指す多くの企業が採用。