




本記事では、教科書的な法律論だけでなく、私の現場経験に基づく「判断に迷うアイテム」の実例と、スタッフが迷わず動ける「適切な管理方法」を解説します。
まず、大前提となるルールです。施設管理において、主観的な「価値がない」という判断は危険です。
法律上、財産的価値があるものはすべて「遺失物(落とし物)」です。
「明らかに所有権が放棄されたもの(ゴミ箱に入っているもの)」以外は、原則として遺失物として扱うのがセーフティです。
勝手に捨てた場合、器物損壊罪(刑法261条)や遺失物横領罪(刑法254条)に問われるリスクがあります。
現場では実際にどのような物で判断に迷っているのか。私がこれまで対応してきた中で、特にスタッフを悩ませたアイテムをランキング形式で紹介します。
「片方だけあっても使えないし、汚れていることが多い。でも『捨てたのか?』と聞かれると怪しい…」
【正解】 原則は「遺失物」として適切に管理します。ただし、著しく汚損している場合は衛生上の観点から廃棄も認められるケースがあります(要記録)。
「ケースだけ、または耳のパーツだけ落ちている。踏まれて壊れている場合、ゴミとして掃いていいのか?」
【正解】 「遺失物」です。壊れていても修理して使う可能性があるため、勝手な廃棄はNGです。
「雨上がりに50本以上残される。いちいち警察に届けるコストが合わない。」
【正解】 デパートや遊園地などの「特例施設占有者」であれば、2週間保管後に処分が可能です(遺失物法)。ただし、事前の掲示(周知)が必要です。
スタッフが迷わないよう、具体的な判定基準を策定しましょう。以下は、グレーゾーンを含めた実務的な判断基準です。
カテゴリ 具体例 判断 現場の対応基準
貴重品 財布、スマホ、鍵 即保管 最重要管理。金庫等で保管し、
速やかに警察へ。
グレーゾーン 片手袋、壊れたイヤホン 保管 「価値なし」と即断せず、
期間を決めて保管(例:1ヶ月)。
特例品 傘、衣類 2週間 特例施設占有者は2週間保管後に
処分・売却可。
衛生課題品 開封済食品、濡れたマスク 即廃棄 衛生上の危険があるため、
発見日時・場所を記録して廃棄。
未開封食品 箱菓子、ペットボトル 一時保管 賞味期限内は保管。期限切れ
または腐敗の兆候があれば廃棄。
明らかなゴミ レシート、空き缶、吸殻 廃棄 所有権放棄とみなせる。
※注:保管期間や処分ルールは、所轄の警察署との協議により異なる場合があります。
適切な判断ができても、管理方法がアナログだと現場は疲弊します。規模に応じた管理方法の見直しを提案します。
大学ノートでの手書き管理は、検索性が低くおすすめしません。
まずはGoogleスプレッドシートやExcelで「拾得日」「特徴(色・形)」「保管場所」を記録し、キーワード検索ができる状態にしましょう。これだけでも問い合わせ対応のスピードは上がります。
もし、年間数千件〜数万件の落とし物が発生し、「青い傘」の検索だけで何分も待たせているようなら、Excel管理の限界です。
私が支援したある大型モールでは、「画像認識AI付きの管理システム」を導入しました。
これにより、問い合わせ対応時間を大幅に削減し、警察への提出書類作成もワンクリックで完了できるようになります。
「落とし物」と「ゴミ」の判断ミスは、スタッフ個人の責任ではなく、明確な基準がない「仕組み」の問題です。
まずは、今回ご紹介した「判定リスト」をバックヤードに貼り出し、スタッフの迷いをなくすことから始めませんか?
AIさくらさん(澁谷さくら)
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