



これまでのFAQ作成は、以下のようなエクセルテンプレートを埋める作業が主流でした。
[質問] パスワードを忘れた場合は?
[回答] 情シスへ連絡してください。内線は…
しかし、この手法には限界があります。
網羅性の欠如: 社員が使う「検索ワード」を人間がすべて予測するのは不可能。
更新の負荷: 規定が変わるたびに、関連するQ&Aをすべて手動で修正する必要がある。
表記ゆれ: 「パスワード」「PW」「ログインコード」など、言葉が違うだけで検索にヒットしない。
これらを解決するには、「Q&Aを作る」のではなく、「マニュアル(正解データ)をAIに読ませる」発想の転換が必要です。
「マニュアルを読ませるだけで、本当に質問に答えられるのか?」
その疑問に対し、参考になるのが阪急電鉄様の実証実験です。
阪急電鉄様が導入したAIは、想定問答集(シナリオ)ですべてを動かしているわけではありません。
複雑な「運送約款」や「ダイヤ情報」といった「基礎データ(ドキュメント)」をAIに連携し、質問に合わせて回答をその場で生成しています。
「鉄道特有の内容をご案内する必要がありましたが、貴社のノウハウを活かしてスムーズに対応していただけたと感じています」
これを社内ヘルプデスクに応用すれば、「就業規則PDF」や「経費精算マニュアル」をAIにアップロードするだけで、FAQシステムが完成します。これがRAG(検索拡張生成)と呼ばれる技術です。
では、RAG型AIを導入する場合、どのような準備(テンプレート作成)が必要なのでしょうか。
やるべきことは「Q&Aを書くこと」ではなく、「マニュアルをAIが読みやすい形に整えること」です。
社内に散らばっている「正解データ」を集めます。
就業規則、各種申請マニュアル(PDF/Word)
イントラネットの掲示板ログ
過去の問い合わせメール履歴
AIが理解しやすいよう、文書に見出しやタグを付けます。これがAI時代のテンプレートです。
【AIに読み込ませるドキュメントの構成例】
# タイトル:交通費精算マニュアル
## 対象者
正社員、契約社員(※アルバイトは対象外)
## 申請期限
翌月3営業日まで
## 注意事項
定期圏内の移動は支給対象外です。
このように、Q&A形式ではなく「構造化された文書」として用意すれば、AIは「アルバイトは交通費出る?」「いつまでに申請?」といったあらゆる角度からの質問に回答できるようになります。
整備したデータを管理画面からドラッグ&ドロップで登録します。これでFAQ構築は完了です。
従来の手法と、RAG型AIを活用した手法の比較です。
AIを導入した後、さらに回答精度を高めるためには、以下の運用が効果的です。
AIが「回答できませんでした」と返したログを確認します。それは「マニュアルに書いていないこと(ルールの不備)」です。
FAQを追加するのではなく、元となるマニュアル自体を改訂し、AIに再学習させることで、組織全体のナレッジレベルが向上します。
社内独自の略語(例:「PM」=プロジェクトマネージャーor午後?)などは、別途「用語集テンプレート」に登録してAIに教えることで、誤解を防げます。
「社内FAQテンプレート」を探してエクセルと格闘するのは、もう終わりにしましょう。
阪急電鉄様の事例が示すように、正しいマニュアル(データ)さえあれば、AIは正確なコンシェルジュになります。
ヘルプデスク担当者の仕事は、「Q&Aを書くこと」から「社内マニュアルを整備すること」へ。
まずは、お手元の「就業規則PDF」をAIに読み込ませ、どれだけの精度で回答できるか試してみませんか?
▼【ヘルプデスク担当者向け】AI用FAQデータ整備ガイド
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