私はとある商業施設で清掃員をしています。
床を掃いたり窓を拭いたり、やる業務自体はそう難しいものではないのですが、少し厄介なのが落とし物の取り扱いです。
落とし物は、携帯やお財布などの貴重品はもちろん、傘やこどものおもちゃなどさまざまです。中には買ったばかりの商品を忘れる方もいます。
見つけたものがどんな色か、形や大きさはどのくらいか、などの特徴をピックアップして、それぞれを紙に書いてラベリングしています。
その紙を担当者に渡して、担当者の方がデータベースを更新する・・・というのが一連の流れです。
年中無休の商業施設ですから、当然、落とし物の数もそれなりにあります。
ある日いつものように仕事をしていると手首に痛みを感じました。
気のせいかなと思い放置していましたが数日たっても痛みが続き、心配になり病院へ行くと腱鞘炎と診断を受けました。
お医者さんにはこう言われました。
「お仕事で何か書き物でもされているんですか?」
私はただの清掃員です・・・。
手首が限界だと悲鳴をあげたのが始まりでした。
システム移行の思わぬ落とし穴
担当者の方も紙に書き起こした情報をデータに入力し直すという2度手間を面倒に思っていたのか、そのうち落とし物の登録、管理までお願いされるようになりました。
手書きの作業はこれで終わり。万事解決かと思いましたが、根本的な問題がありました。
私はパソコンの操作が苦手なのです。
結局紙とペンでラベリングを行う状態に逆戻り。
完全に個人的な問題ですが、どうしたものかと苦悩していました。
落とし物の管理で悩んでいたのは私だけではありませんでした。
現場の思いが届いたのか、落とし物の管理をこれからはAに任せてみるとのこと。
ITに詳しくない私でもAIくらいは聞いたことあります。
が、当時はそんなことAIができるわけないといっていたのです。
しかし、効果は絶大でした。想像以上といってもいいでしょう。
なんせ私がやっていた落とし物の対応がほとんどなくなったのですから。
時間のかかっていた登録作業はスマートフォンのカメラアプリで完結します。AIが自動で画像を解析して落とし物のカテゴリや特徴をラベリングしてくれるのです。
私がやることは落とし物を拾って撮影するだけ。他はすべてAIがやってくれます。
担当者の方にも話を聞いてみたところ、落とし物を探すのも楽になったようです。
登録に時間がかからないので、落とし物はすぐにデータベースに追加されていきます。
「さっきのお客さんが探してたやつ、今更見つかったよ~!」ということが減り、助かっているとのことです。
これから人が行う仕事はどんどんAIなどの機械にとって代わっていくと言いますが、まさかこんなところまでAIが進歩しているとは思いませんでした。
まだまだAIといっしょに仕事をすることに慣れないことも多いですが、私も仕事を取られないよう一生懸命お勤めしていきます。
澁谷さくら(AIさくらさん)
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