“
愛媛県教育委員会
”
20251017
愛媛県教育委員会が「メンタルヘルスさくらさん」を導入|教職員のこころの健康をAIがサポート
教育委員会の事務効率化と教職員支援を両立。AIによる匿名相談で教職員のメンタルケア体制を強化。早期対応と安心できる相談環境を実現
愛媛県教育委員会では、教職員のメンタルヘルス対策を強化するために、AIメンタルケアシステム「メンタルヘルスさくらさん」を導入しました。AIとの匿名対話を通じて、教職員が気軽にこころの不調を相談できる環境を整備。相談件数の可視化や早期対応にもつながり、教育現場の安心・安全な働き方を支えています。
導入の背景・決め手
近年、教育現場では長時間勤務や人間関係のストレスなどから、教職員のメンタルヘルス不調が全国的な課題となっています。愛媛県教育委員会でも、相談窓口の利用率の低さや、「対面での相談のハードルが高い」という現場の声が課題として上がっていました。こうした背景から、「誰でも、いつでも、気軽に相談できる仕組み」の必要性を感じ、AIによる匿名相談サービス「メンタルヘルスさくらさん」を導入。教職員がスマートフォンやパソコンから匿名で利用できる点、AIが24時間寄り添いながら状況を整理・助言できる点が高く評価されました。
また、AIのやり取り内容は統計的に分析され、個人を特定せずに「ストレス傾向」「相談テーマ」などを可視化できることから、組織全体のメンタルヘルス施策の改善にも活かせると判断されました。
導入の概要
・導入組織:愛媛県教育委員会
・導入時期:令和6年度
・対応対象:県内の公立学校教職員、教育事務所職員
・主な目的:教職員のメンタルケア支援・相談環境の改善・離職防止
・利用方法:匿名チャット形式による24時間相談対応(PC・スマホ対応)
教職員は、業務中や自宅など好きなタイミングでAIに相談が可能。AIが状況をヒアリングし、ストレスレベルを分析した上で、必要に応じて産業医や専門カウンセラーへの相談につなげる設計となっています。
導入成果
・利用開始から半年で延べ1,800件の相談を対応
・利用者の約72%が「気軽に相談できた」と回答
・早期対応件数:前年比1.6倍(人事課・教育相談窓口連携)
・離職前相談率が向上(前年+18%)
・教職員アンケートで「職場の安心感が増した」との回答が多数
AIによる一次対応の存在が「相談の第一歩」となり、これまで相談をためらっていた教職員の声を拾い上げることができるようになりました。
担当者のコメント
「AIというと冷たい印象を持たれがちですが、メンタルヘルスさくらさんは“話を聞いてくれる安心感”があります。教職員が抱える悩みを誰にも知られず相談できる環境をつくれたことが大きな成果です。教育現場に寄り添う支援ツールとして、今後も活用を広げていきたいです。」
— 愛媛県教育委員会 教育企画課 人事支援グループ 担当職員
今後の展望
今後は、各学校単位での利用促進とともに、AIが分析した相談データをもとにしたストレス要因の傾向分析を進め、研修・人事配置・職場環境改善などへの活用を計画しています。
また、若手教員の定着支援やメンタル不調の早期発見に役立つよう、教育委員会全体で「予防と支援の両輪」を強化していく予定です。
導入効果まとめ
項目 内容
導入時期 令和6年度
相談件数 約1,800件/半年
利用満足度 約72%が「気軽に相談できた」と回答
早期対応件数 前年比+1.6倍
主な効果 教職員のメンタルケア体制強化・相談促進・離職防止
対応範囲 教職員・教育事務所職員・教育委員会内部
