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茨城県潮来市役所
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20251020
潮来市が「AIさくらさん」を導入|電話対応AIで業務効率化と住民満足度向上を実現
市民からの電話対応をAIが代行。24時間対応で職員の負担を軽減し、回答率91.1%を達成
潮来市(茨城県)では、住民からの電話問い合わせに多くの時間を割かれるという課題を解決するため、2024年4月に「AIさくらさん」を導入しました。AIによる電話応答の自動化により、24時間対応を実現。導入直後の実証実験では回答率91.1%を記録し、職員の業務負担軽減と市民満足度の向上を両立しました。
導入の背景・決め手
潮来市では令和5年度に「DX戦略室」を新設し、全庁的なデジタル化推進に着手。庁内ヒアリングを通して抽出された課題の中でも、最も多くの部署から共通して挙がったのが「電話対応業務」でした。
開庁時間内しか電話対応ができず、仕事や子育てで忙しい市民から「つながりにくい」「問い合わせがしづらい」という声が多く寄せられていました。一方、職員側も長時間の電話対応により本来業務に支障が出るケースがあり、1件に1時間以上かかる例も少なくありませんでした。
そこで、「住民サービスの質を保ちながら職員負担を軽減する仕組み」としてAIによる自動応答を検討。単なる自動音声システムではなく、“温かみのある対応ができるAI”を条件に比較検討を行い、開発元の信頼性・安全基準・サポート体制・使いやすさなど総合的に評価して「AIさくらさん」の導入を決定しました。
導入の概要
・導入組織:潮来市(茨城県)
・導入時期:令和6年4月
・導入分野:観光商工課(観光イベント電話対応)
・導入目的:電話対応業務の効率化・職員負担軽減・住民サービス向上
・実証対象:市の代表的イベント「水郷潮来あやめまつり」期間中の電話対応
実証実験は6月の「あやめまつり」開催期間中に実施され、AIが約530件の電話に対応。回答率は91.1%を記録しました。誤回答の修正や入力内容のチューニングを重ねることで、精度が向上し、AIの学習効果が確認されました。
導入成果
・電話対応件数:約530件(実証期間中)
・回答率:91.1%
・電話対応時間:約70%削減
・職員満足度:「精神的負担が減った」との回答多数
・利用者評価:「24時間つながるので便利」「AIでも違和感がない」
これにより、従来2~3人が常時対応していた電話窓口業務が大幅に軽減。職員は来場客への直接対応や現場運営に集中できるようになりました。
市長コメント
「AIの活用によって、限られた職員の労働力を“人にしかできない住民対応”に振り向けられるようになりました。電話対応AIの成果を踏まえ、今後は庁内窓口業務などへの拡大も視野に入れています。住民の幸福度を高めるためのDX推進に、AIさくらさんは欠かせない存在です。」
— 潮来市長 原 浩道 氏
今後の展望
実証実験の成功を受け、潮来市では他部署(環境課・保健福祉センターなど)への「AIさくらさん」活用拡大を計画しています。ごみ収集や健康相談など、住民からの問い合わせが多い業務への導入を検討中。
また、AI活用を通じて職員の技術理解が進み、庁内のDX推進機運が高まる効果も見られています。潮来市は今後も「人に寄り添うAI行政」の実現を目指しています。
導入効果まとめ
項目 内容
導入時期 令和6年4月
実証対象 水郷潮来あやめまつり
電話対応対応件数 約530件
回答率 91.1%
業務削減効果 約70%の電話対応負担軽減
主な効果 職員の精神的負担軽減・24時間対応・住民満足度向上
今後の展開 庁内他部署(環境課・保健福祉センター等)への拡大予定
