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滋賀県長浜市役所
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20251016
長浜市が「AI電話対応さくらさん」を実証導入|84%の高精度回答でAI本格導入へ前進
電話対応業務をAIが支援。24時間対応の実証実験で住民利便性と職員負担軽減の両立を実現
長浜市では、行政のDX推進と職員の業務効率化を目的に、生成AIを活用した「AI電話対応さくらさん」を実証導入。3か月間にわたる市民参加型の実証実験を実施し、AIが約84%の精度で問い合わせに明確回答。電話業務の省力化と住民サービスの向上に大きな成果を上げました。
導入の背景・決め手
長浜市では、行政のDX推進を通じて、持続可能な行政運営と職員の業務効率化を進めていました。
その中で課題となっていたのが、住民からの「電話対応業務」です。
開庁時間内にしか対応できないため、住民の利便性が十分でなく、また職員の負担も大きい状況でした。
こうした背景から、「電話でなくても回答できる簡易な問い合わせ」への効率的な対応を目的に、
生成AIを活用した**「AI電話対応さくらさん」**の導入を検討。
市が運用する実証実験スキームを活用し、令和6年度に試験導入を行いました。
長浜市ではすでに令和5年からChatGPTの試験運用を進めており、
庁内でAI活用の理解とガイドライン整備が進んでいたため、導入への不安はありませんでした。
その上で、ティファナ・ドットコム社が提案した市民参加型のAI電話実証企画が、
実用性と市民利便性の両立を図るものとして採択され、導入が決定しました。
実証実験の概要
・実施期間:令和6年12月〜令和7年2月(3か月間)
・専用電話番号を開設し、市民からの問い合わせにAIが自動応答
・対象業務:5分野(環境保全課・市民課・しょうがい福祉課)
担当課対応内容環境保全課ゴミの分別案内市民課戸籍の届出、コンビニ交付、マイナンバーカード交付などしょうがい福祉課しょうがい福祉サービスに関する問い合わせ
実証実験の成果
・問い合わせ総数:186件
・明確に回答できた件数:157件(約84%)
・開庁時間外での問い合わせにも対応(24時間稼働を実現)
・利用者アンケートで半数以上が「好印象」評価
AIの高い回答精度と、開庁時間に依存しない応答体制が評価され、
職員からも「業務効率化に期待が持てる」との声が寄せられました。
担当者コメント
「今回の実証実験では、生成AIによる24時間対応が市民の利便性向上に寄与しました。
また、AIの高い回答精度も確認でき、業務負担の軽減効果にも手応えを感じています。
今後は新たな分野への展開も視野に、生成AIの活用を前向きに検討していきます。」
— 長浜市 未来創造部 デジタル行政推進局 デジタル行政推進課
今井 伝憲 氏
今後の展望
長浜市では、実証実験で得られた成果を踏まえ、
今後は特定業務に限らず、市役所全体での電話対応分野へのAI活用を検討中。
生成AIの精度向上とともに、庁内の業務プロセスを最適化し、
市民サービスと職員業務の両面で「持続可能な行政運営」の実現を目指しています。
導入効果まとめ
項目 内容
実施期間 令和6年12月〜令和7年2月(3か月)
問い合わせ件数 186件明確回答率約84%(157件)
主な効果 24時間対応実現・住民利便性向上・業務効率化
実施部署 環境保全課、市民課、しょうがい福祉課
担当部署 未来創造部 デジタル行政推進局 デジタル行政推進課
